水原一平氏の賭博問題にさらなる“負の波及効果”? 来年のメジャー日本開催にも影響か

 今年は韓国・ソウルで一足早く開幕戦(パドレス対ドジャース戦)が行われたメジャーリーグ。来年はメジャーリーグ機構が非公式ながらドジャースとカブスに日本開幕戦について伝達したと現地で報道された。

 ドジャースには大谷翔平と山本由伸、カブスには鈴木誠也と今永昇太と4人の日本人選手が所属しているだけに実現すればかなりの盛り上がりとなりそうだ。

 だが、現在世間を騒がしている「イッペイ・スキャンダル」がMLBのアジア戦略にまで多大な影響を及ぼすとも言われている。状況によっては2025年の日本開幕戦開催の再考すらあり得るという声もある。

 元ドジャース通訳・水原一平氏の違法賭博スキャンダルは、新たな情報が次々と出始めた。水原氏の経歴詐称疑惑や借金まみれの過去が明らかになるなど、騒ぎは収まる気配がない。

 日本時間の3月26日には大谷が水谷氏の違法賭博問題について声明を発表したが、これからどうなるかは分からない部分も多い。10年総額7億ドル(約1060億円)という超大型契約でドジャース入りし、これから楽しみなシーズンが始まるはずだった。だが、水原氏のスキャンダルはそれに水を差し、今後も様々なところで“負の波及効果”を及ぼすのではないかと懸念されている。

「野球のシーズンが本格的に始まる前に大きなミソがついた。大谷の専属通訳が犯した問題だけに、2025年に開催予定のMLB日本開幕戦に関しても影響が大きいと聞く」(大手広告代理店関係者)

 1月5日にNPBの榊原定征コミッショナーは、2025年のMLB開幕戦が東京ドームで行われる見通しを明かした。「プロ野球の魅力向上、事業規模拡大、国際化の推進」を掲げ全面協力を宣言、NPB球団とのオープン戦も行われるという話だった。

「ドジャースとカブスが対戦候補に挙がっている。カブスには鈴木と今永が在籍しており、投手・大谷と鈴木、打者・大谷と今永の直接対決となれば、日本中が盛り上がるのは間違いない。またエスコンフィールド北海道(以下エスコン)で日本ハムとオープン戦を行う方向で調整していると聞く」(スポーツ新聞MLB担当)

 大谷は昨年9月に右肘を手術、今季は野手に専念したうえで2025年からは投手としての復活を目指している。「二刀流」再出発が日本時代に所属した日本ハムの本拠地エスコンならば最高の物語となる。

 またエスコンは米国・HKS社と大林組が共同で設計・建設を行なった。HKS社はMLBレンジャーズの新球場グローブライフ・フィールドをはじめ、米国内で多くのスポーツスタジアムの設計を手がけている。MLB球団が日本で試合を行うのにエスコンは最適と言えるだろう。

「ドジャースは今季開幕戦を韓国・ソウルでパドレスと行なった。公式戦におけるアジア遠征の経験を積んでいるのも大きく、早々と承諾すると見られている。また日本にできた最先端の野球場への興味も大きかったらしい」(在米スポーツライター)

 今季開幕シリーズでは大谷とダルビッシュの対決や山本由伸のデビュー戦など、多くの話題を提供した。両球団のグッズが飛ぶように売れただけでなく、米国内のアジア圏コミュニティも盛り上がった。「金のなる木」として2025年への期待度も高いが、水原氏の事件が影を落とし始めた。

「水原氏をイメージさせる日本ハムとの絡みには慎重論が出始めているという。MLBは世界戦略を進める中でクリーンなイメージを重要視する。違法賭博は現在、最もナーバスになっている分野でもあり、慎重論が出るのは当然でしょう」(大手広告代理店関係者)

「ドジャースや前所属エンゼルスに対して、『(水原氏の)身辺調査が不十分だったのでは?』という声も出始めている。通訳として仕事を提供した日本ハムに対しても同様の意見がある」(在米スポーツライター)

 2000年のメッツ対カブス戦で始まったMLBの日本開幕戦は毎回、大きな盛り上がりを見せる。2004年には松井秀喜氏(当時ヤンキース)、2008年には松坂大輔氏(当時レッドソックス)などが凱旋試合に出場し、日本のファンがメジャーに所属する日本人選手の活躍に熱狂した。

 また、2019年にはイチロー氏(マリナーズ)が現役引退試合を行なったのも含め、野球ファンのみならず日本中を巻き込んだ一大イベントとなる。2025年は大谷を軸にさらなる盛況が期待されてはいるが、先行きが不透明な部分もある。

「MLBのアジア、世界戦略を考えれば日本開幕戦が行われるのは間違いない。しかしエスコン(=日本ハム)が絡むかどうかは、イッペイ・スキャンダルの今後によるだろう。状況次第ではこれまで通り、オープン戦を含めた全イベントを関東地方(=東京ドーム)で行う可能性も否定できない」(スポーツ新聞MLB担当)

 日本ハムがメジャーでも良い印象が持たれているのはダルビッシュや大谷が巣立った球団ということがあったから。今まではその中に水原氏も含まれていたのだが、今回の一件で逆に足を引っ張る形となった。イッペイ・スキャンダルは大谷を含めたMLB関係各所のみならず、古巣球団やNPBにも影響を及ぼし始めている。

2024-03-27T09:13:12Z dg43tfdfdgfd