3人制バスケ トップ選手が観客魅了 宇都宮で国内初の五輪予選

 3人制バスケットボール「3x3」で今夏のパリ五輪出場権を争う予選が5日まで、JR宇都宮駅東口のライトキューブ宇都宮であった。世界トップ級の選手たちが繰り広げた試合は、観客を魅了しただけではなく、県内への競技の普及も後押ししたようだ。

地元の小学生と交流した3人制バスケットのフランスの選手ら=2024年4月30日、宇都宮市立昭和小学校、津布楽洋一撮影

 前週のクラブチーム世界一を決めるワールドツアー開幕戦に続き、宇都宮市が舞台となった五輪予選。開催国として出場した日本代表は男女ともあと一歩のところで決勝トーナメント進出を逃し、パリ切符獲得は今後の最終予選に持ち越しとなった。ただ、懸命のプレーで会場を盛り上げた。

 東京五輪に出場した日本男子代表の落合知也選手(36)は、かつて宇都宮ブレックスに在籍していた。宇都宮での開催に、大会前から「非常に心強い。東京五輪は無観客だった。初めて多くのファンのみなさんの前で日本代表として大舞台を経験させてもらえるので、感慨深い」と喜んでいた。中祖嘉人ヘッドコーチも「よく大会が行われる場所。私もほかの選手も(宇都宮が)3x3のホームタウンという感じがする。会場近くの店もよく知っている」と語った。

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 市民と選手の交流の場も設けられた。パリ五輪の開催国・フランスの男子選手などは4月30日、宇都宮市の昭和小学校を訪問。5年生の児童約60人と1対1のゲームをするなどし、魅力を伝えた。

 児童の代表は選手らに「バスケットをやることはあまりなかったけれど、素晴らしいプレーをみて興味を持ち、自分もやってみたいと思った」と感謝の言葉を述べ、今後について「今日の経験を生かし、体育の授業でも積極的にシュートを狙っていきたい」と話した。

 ワールドツアーにちなみ、今回は小学生の3x3の大会も開かれた。栃木県バスケットボール協会によると、3x3に取り組む小学校は県内各地に広がっており、大会には、宇都宮市以外からの参加申し込みもあったという。

 宇都宮市では2016年から、国際バスケットボール連盟(FIBA)が主催する大会を開催してきた。すでに、ロサンゼルス五輪がある28年まで、ワールドツアーの開幕戦を行うことが決まっている。今年はFIBAから寄贈された3x3のコートがJR宇都宮駅東口に設置され、多くの子どもたちがバスケットを楽しんでいる。

 宇都宮市の佐藤栄一市長は日本の少子化問題を念頭に、「多くの人数が必要な競技は、なかなか成り立たない学校もあるが、3x3はすぐにチームができる。みんなが試合を体験できるのも、子どもたちにとってプラスと言える」と将来性を説明。「3x3の先頭を行く宇都宮としては(魅力を)全国に、全世界に発信する役割を担っていくことができれば」と話している。(津布楽洋一)

2024-05-06T01:55:30Z dg43tfdfdgfd