「カットに頼らず勝負を」 広島・大瀬良、新しい自分で今季初勝利

○広島3―1阪神●(8日・甲子園)

 特定の球種に頼らない、新しい自分を表現した。広島の大瀬良大地が今季5試合目の登板で初勝利を挙げた。

 一回から直球やカットボールを軸にしたが安定せず、三回まで毎回四球や安打で先頭打者を出してリズムに乗れなかった。ここで試合前に捕手の会沢翼と立てた作戦を実行した。「『カットに頼らずに勝負してみよう』と、お互い話をする前にそういうふうな意図が(かみ)合わさったんで根気強くストライクゾーンに投げた」。四回からカーブを意識して使い始めるとテンポが良くなり投球が変わった。

 勝ち越し点が欲しい七回2死三塁の場面で自身の打席が回ってきたが、そのまま打席に入った。「(今季は)信頼に欠けるようなピッチングが続いていたんで今日も正直終わりなんかなと思ったが『行くよー』と言ってもらいすごくうれしかった」。空振り三振だったが七回を3者凡退に抑え、八回の味方の援護を引き出した。

 今季は8日の試合まで4試合で防御率2・01と決して悪くはない数字で、味方の援護に恵まれない部分があった。この日は史上157人目の1000奪三振も記録したが、それ以上に新たな投球スタイルという収穫を得た今季初勝利だった。【荻野公一】

2024-05-08T14:45:31Z dg43tfdfdgfd