ボクシング ネリが井上尚弥の弱点を「いくつか見つけている」と豪語 井上のメキシコ人練習相手から情報収集

プロボクシングの元世界2階級制覇王者で、WBC世界スーパーバンタム級1位のルイス・ネリ(29)=メキシコ=が23日、東京・新宿区の帝拳ジムで、4団体世界同級統一王者の井上尚弥(31)=大橋=に挑戦する4団体世界同級タイトルマッチ(5月6日、東京ドーム)に向けた練習を公開。井上の弱点を「いくつか見つけている」と揺さぶりをかけた。

ネリは公開練習前にはあくびをしたり、笑顔を見せたりとリラックス。シャドーボクシングとミット打ちを各1ラウンド披露し、ミット打ちでは得意のパワフルな連打を見せた。

「100%の体調。5カ月間練習をしてきた。減量もとても良い。過去の試合より10倍、20倍ぐらいコンディションが良く、仕上がっている」。ネリの試合前合宿は地元のティフアナで約1カ月半が通例だが、今回は1月7日からは米テキサス州エルパソのDynamisフィットネスジムでも合宿を実施。井上戦に向けて合計で約5カ月間の練習を重ねてきたという。21日に妻と娘3人ら家族8人、スタッフ7人とともに4度目の来日を果たした。

過去にドーピング違反や体重超過を起こしている〝悪童〟ネリは現在の体重を「127ポンド(約57・6キロ)」とした。エルパソを出発したときは約128ポンド(約58キロ)。来日の旅程で130ポンド(約58・9キロ)に増えたというが、来日後にきっちりと減らした。ドーピング検査はこの試合に向けて3度受け、すべて陰性。最後の検査は20日前に受けたという。

ネリは井上の弱点を「いくつか見つけている。勉強した」と述べた。ネリのサミール・ロサーノ・トレーナーは「井上のスパーリングパートナーがメキシコ人で、そのメキシコ人から意見を聞いて、いろいろと研究してきた」と明かした。ネリは「ディフェンス面だけでなく、それ以外にもいくつか弱点がある」とし、「今は話せない。それを5月6日に見ていただくことになる」と語った。

井上については「過大評価されていると思う。タパレスと11回(実際は10回)まで闘った。良い選手だとは思うが、バスケットボールでいうマイケル・ジョーダンのような選手ではない」と評価した。

「必ず勝利をつかめると思う。何回かは分からないが、KO勝利が見られるだろう。初めて見るような試合を目撃するだろう。流血を見るでしょう」とKO勝利を宣言。「とても厳しい試合になると思う。それは2人にとってだ。私だけでなく、井上にとっても厳しい試合になると思う。2人ともに勝つ可能性はある。しかし、私はメキシコ人だ。すべてをリングの上で出し、リングの上で死ぬ覚悟だ」と強い決意を示した。

約4万人収容予定の東京ドーム興行は4大世界戦を中心に行われ、セミファイナルでWBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=が、2度目の防衛を目指す王者のジェーソン・モロニー(33)=オーストラリア=相手に世界初挑戦する。第3試合の〝セミセミ〟は尚弥の弟で、WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=が、指名挑戦者で同級1位の石田匠(32)=井岡=の挑戦を受ける2度目の防衛戦。第2試合としてWBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=が、同級3位で世界初挑戦の桑原拓(29)=大橋=との再戦で、初防衛戦を闘う。

第1試合は元IBF世界スーパーバンタム級王者で、現WBOアジア・パシフィック同級王者のTJ・ドヘニー(37)=アイルランド=が、同級8回戦としてフィリピン同級12位のブリル・バヨゴス(22)=フィリピン=と対戦する。ドヘニーはリザーブ選手でもあり、ネリが計量失格などでメインイベントに出場できなくなった場合は尚弥に挑戦することになる。

午後2時に開場予定で、同4時に興行開始予定。第2試合以降はアマゾンプライムビデオで同5時から独占生配信される。プロ戦績はネリが36戦35勝(27KO)1敗、尚弥が26戦26勝(23KO)、武居が8戦8勝(8KO)、モロニーが29戦27勝(19KO)2敗、拓真が20戦19勝(5KO)1敗、石田が37戦34勝(17KO)3敗、ユーリ阿久井が22戦19勝(11KO)2敗1分け、桑原が14戦13勝(8KO)1敗、ドヘニーが29戦25勝(19KO)4敗、バヨゴスが8戦7勝(2KO)1分け。(尾﨑陽介)

2024-04-23T06:30:26Z dg43tfdfdgfd