ボクシング 井上尚弥をアラムCEOが〝擁護〟 ネリ戦で6戦連続の日本開催「彼が日本で作るものに近づくことは不可能」

プロボクシングの4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(31)=大橋=と契約している米興行大手トップランクのボブ・アラムCEO(92)が、日本開催の試合を続ける井上を〝擁護〟したと18日(日本時間19日)、米専門メディアのボクシングシーンが報じた。17日に同メディアに語ったという。

アラムCEOは井上が当分の間、国外で闘う理由はないと考えているとし、「かつては、米国に来ることが大金を稼ぐ最善の方法だった。マニー(パッキャオ)や(WBC世界ヘビー級王者のタイソン・)フューリーには有効だった。井上は役者が違う。裕福な国のボクシング界の大スターだ」と話した。

井上は5月6日に東京ドームで、元世界2階級制覇王者でWBC世界同級1位のルイス・ネリ(29)=メキシコ=の挑戦を受ける4団体王座防衛戦を控えている。アラムCEOは同興行の観戦チケットの売り上げはすでに2000万ドル(約30億9200万円)を超えており、テレビ放映権料はまだ計算されていないと語ったという。

先週、元WBC、IBF世界ウエルター級王者のショーン・ポーター氏(36)=米国=が、ネリ戦で6戦連続の日本開催となる井上について「井上の目標が何なのか、本当にわからない。彼の目標はボクシング界のスターになることなのか? ボクシング界のスターになるのが目標なら、米国に来るしかない」と語った。

それに対して井上は13日に自身のX(旧ツイッター)を更新。「アメリカに来て試合をしろと言うコメントに????? 今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」と反論した。

井上は過去に3度米国で試合を行っているが、日本は近年、試合の生中継が動画配信サービスに移行し、高額なファイトマネーを用意できるようになるなど市場が拡大している。アラムCEOは「彼が日本で作るものに近づくことは不可能だ。日本にはこれほど大きなマーケットがあるのに、なぜ米国に来て後退するのか?」と日本開催に理解を示した。

さらに「(井上の階級に近い)それらの階級には、彼が日本でできる以上の試合をできる選手はいない。これはマニーがフィリピンから来て、どこで闘っても5万ドル(約770万円)以上は稼げなかった時代とはまったく違う。米国で闘ったことで、彼は世界的なスーパースターになった。井上にとって、それは正反対だ。日本での試合は彼の敵にとっては困難な遠征となるが、彼らの財布は不快感を和らげる。彼らは舌を巻いて招待状を求めている。ショーンはいいやつだが、彼が話していること(米国へ来ること)は時代遅れだ」と一蹴した。

約4万人収容予定の東京ドーム興行の観戦チケットの売れ行きは良く、完売まで残り約3000枚となっている。興行は4大世界戦を中心に行われ、セミファイナルでWBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=が、2度目の防衛を目指す王者のジェーソン・モロニー(33)=オーストラリア=相手に世界初挑戦する。第3試合の〝セミセミ〟は尚弥の弟で、WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=が、指名挑戦者で同級1位の石田匠(32)=井岡=の挑戦を受ける2度目の防衛戦。第2試合としてWBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=が、同級3位で世界初挑戦の桑原拓(29)=大橋=との再戦で初防衛戦を闘う。

第1試合は元IBF世界スーパーバンタム級王者で、現WBOアジア・パシフィック同級王者のTJ・ドヘニー(37)=アイルランド=が、同級8回戦としてフィリピン同級12位のブリル・バヨゴス(22)=フィリピン=と対戦する。ドヘニーはリザーブ選手でもあり、ネリが計量失格などでメインイベントに出場できなくなった場合は尚弥に挑戦することになる。

午後2時に開場予定で、同4時に興行開始予定。第2試合以降はアマゾンプライムビデオで独占生配信される。プロ戦績は尚弥が26戦26勝(23KO)、ネリが36戦35勝(27KO)1敗、武居が8戦8勝(8KO)、モロニーが29戦27勝(19KO)2敗、拓真が20戦19勝(5KO)1敗、石田が37戦34勝(17KO)3敗、ユーリ阿久井が22戦19勝(11KO)2敗1分け、桑原が14戦13勝(8KO)1敗、ドヘニーが29戦25勝(19KO)4敗、バヨゴスが8戦7勝(2KO)1分け。

2024-04-19T01:06:38Z dg43tfdfdgfd