【中日】代走・尾田剛樹の足と巨人バッテリー、三本間ギリギリの攻防戦 読経で徳を積んだ男が幸運を運び連敗ストップ

◇24日 巨人2―3中日(東京ドーム)

 中日は24日の巨人戦(東京ドーム)を3―2で制し、連敗を5で止めて2位に浮上した。23イニング連続無得点、13試合連続本塁打なしで迎えた一戦で、オルランド・カリステ内野手(32)が1回に先制2ランを放ち一気に“呪縛”を解いた。序盤で追いつかれたが、先発涌井秀章投手(37)も6イニング2失点の粘投。我慢強く勝機を探り、7回に勝ち越し点を挙げると、自慢の救援陣で逃げ切った。

 足で魅せた、ではなくて足が魅せた。2―2の7回。先頭で左翼線二塁打を放った木下に代走・尾田がコールされる。山本の犠打で1死三塁。ここで思わぬ展開が待っていた。巨人の捕手・岸田からの三塁へのけん制が背番号00の左かかとに当たる。白球は二塁ベース方向へ転々。尾田は起き上がって反転、勝ち越しのホームを踏んだ。

 当たる、転がる、いける、生還。数秒で舞い込んだ竜の白星。立浪監督は「ラッキーな形で点が入った。勝ったのが大きい。連敗していて、雰囲気というか流れが悪くなっていた」と振り返った。流れの悪さが出たのは6回1死一、二塁。二走・中田がけん制死した。2死一塁となり、岡林は二ゴロ。勝ち越しの好機をつぶしていた。

 尾田が幸運を運んできた。18・44メートルを隔てた戦いは巨人先発・赤星と代打・大島。ベンチのサインはギャンブルスタートだった。

 「直前(3球目の後)に、(三塁コーチの大西外野守備走塁)コーチから『出過ぎ』と言われたおかげでギリギリ戻れました」。尾田は初球から大きくシャッフルした。三本間では、本塁を狙う尾田と警戒する巨人バッテリーの攻防戦があった。4球目でのけん制球。タイミングはセーフだった。

 持っている。今季2得点とも相手のミス絡み。2日の本拠地開幕・巨人戦では一塁の代走でけん制球に飛び出した。一、二塁間に挟まれ、相手のタッチをかいくぐり二塁へ。プロ初盗塁を記録した。約3週間ぶりの得点。「少し運はあるのか」。和歌山にある仏教系の高野山高を出ている。毎朝、読経して徳を積んだ過去がある。

2024-04-24T20:47:56Z dg43tfdfdgfd