今季初めて打ち込まれる…先発マスクで“負けない捕手”だった中日・加藤匠 快進撃の影の立役者が得た教訓

◇渋谷真コラム「龍の背に乗って」

◇18日 中日5-11ヤクルト(バンテリンドーム)

 試合開始の時点で、柳の防御率は0・47。しかし、ヤクルト・高橋も0・69。投手戦必至の予想は外れ、柳は4回持たず6失点でノックアウトされ、打線も高橋を5回でマウンドから降ろした。

 しかし、この2人より優秀な防御率を誇っていたのが加藤匠だった。早くも昨季に並ぶ10試合目の出場。先発マスクをかぶったここまでの4試合は3完封と1引き分けで、途中出場の5試合も投手風に言えば1勝3セーブ。まさしく快進撃の影の立役者である。50イニング守って12日の阪神戦(バンテリンドーム)での2失点だけ。防御率0・36と圧巻の数字だった。

 そんな「負けない捕手」が今季初めて打ち込まれ、黒星を喫した。6回に代打を送られ、7失点で交代。防御率は柳(2・78)ともども1・42に悪化した。

 「柳は真っすぐのコントロールに苦しんでいました。(1回の)オスナや村上のところはストライクを取りにいったわけじゃないですが、いい時は甘いところから始まって(勝負球は)広げていくのに、今日は逆。広いところから狭いところにいってしまいました」

 加藤匠の言葉が柳の苦投を物語る。エースの乱れが波及するように、全11失点が2死を取ってから。「もったいない」と思う一方、今季ワーストの7四球(1敬遠含む)が失点を増やした。四球を少なく、ゾーンで勝負。ここまでの勝利を支えてきた大原則が、崩れた試合だった。

 安打数だけならほぼ互角の13本。「せっかく5点も取ったのに」という考え方もあるだろうが、粘りを見られただけで十分だ。投手が打たれた日の敗戦にはあきらめがつく。裏を返せばこうすれば負けるという教訓を改めて得た。19日からは阪神戦。球団新記録を逃した中日とは対照的に、球団ワーストタイの「10戦連続2得点以下」だが3連勝。今度こそ投手戦必至と見る。自信を持て、そして恐れるな!

2024-04-19T01:37:59Z dg43tfdfdgfd