堤駿斗 新型コロナ感染が体重超過の原因だった モレノKOも涙声で謝罪

 「ボクシング・10回戦」(17日、後楽園ホール)

 WBC8位、WBA10位の堤駿斗(24)=志成=が、山中慎介氏との2連戦で知られる元WBA世界バンタム級王者で現WBA9位のアンセルモ・モレノ(38)=パナマ=に3回2分45秒、KO勝ちした。試合後、3週間前に新型コロナウイルスに感染していたことを明かした。

 堤は16日の前日計量でフェザー級の上限57・15キロを1・6キロ超過したが、モレノ側との協議で、当日計量で61・12キロ以下であれば試合を行うことになり、当日計量を60・95キロでクリアしていた。

 試合では3回に左アッパー2連発で右膝を着かせて最初のダウンを奪い、右アッパーでまたも膝を着かせると、モレノは立ち上がれなかった。堤は試合後、涙声でモレノ、モレノ陣営、観客、ボクシングファン、関係者、運営に「本当に申し訳ありません。歴史あるボクシングという競技を汚してしまいました」と謝罪した。

 控え室では「全部言い訳になってしまうので、そういった気持ちで聞いていただければ幸い」と前置きして「3週間前にコロナウイルスにかかってしまって。アメリカから帰ってくる日に」と打ち明けた。米国合宿の最終日に高熱が出て、3月25日の帰国後すぐ病院に行き、新型コロナ感染が判明したという。

 その後は1週間寝込み、後遺症で「肺をやられて」少し動くとぜんそくのような症状が出るため、練習も減量もままならなかった。肺には激痛が走り、呼吸にも支障を来していたという。

 医師からは「試合には出るな」とストップがかかっていたが、「メインイベンターとしては中止することは難しい」と負けを覚悟で試合に出場することを決断した。この日もウォーミングアップだけで肺が痛むため、試合前に息を上げられない状態だったという。

 今後の階級については「フェザー級だとあまり余裕がないので、スーパーフェザー級でやるのも一つの考えなのかな。チームと話して決めたい」と述べ、「失った信頼を少しずつ取り戻して、プロとして胸を張ってリングに上がれるように精進したい」と約束した。

 第4試合の54・5キロ契約6回戦では、元日本ランカーの佐藤剛(27)=角海老宝石=が3年9カ月ぶりの復帰戦でタナーコン・チャンピマーン(18)=タイ=と対戦。初回からタナーコンをぐらつかせ、2回2分7秒、左ストレート一発でTKO勝ちした。

 2020年7月26日の日本ライトフライ級王座決定戦で後の世界王者・矢吹正道に敗れて以来の復帰戦を飾った佐藤は「やっとこのリングに戻って来られてホントにうれしい」と感無量の表情。言葉に詰まりながらも「もう一度、ベルトを取りたいという気持ちで頑張ります。ベルトを取ってリングの上で自慢したい」と、再び王座を目指すことを誓っていた。

2024-04-17T11:51:24Z dg43tfdfdgfd