大谷翔平に米記者が求めていた“7億ドルの責任” 得点圏の指摘一蹴…絶叫で示した役割

1点を追う10回に同点適時打…塁上で感情露わに

■ドジャース 4ー3 ブレーブス(日本時間4日・ロサンゼルス)

チャンスに弱いと言われ続けた屈辱を晴らし、塁上で感情を露わにした。ドジャース・大谷翔平投手は3日(日本時間4日)、本拠地・ブレーブス戦で、1点を追う延長10回に貴重な同点打を放った。一塁上では三塁ベンチに向かって両手を上げて絶叫。チームメートを鼓舞し、11回のサヨナラ勝ちをもたらした。

無安打で迎えた10回1死二塁の第5打席。追い込まれてから、エンゼルス時代の同僚、イグレシアスの外角低めに外れたチェンジアップに食らいついた。体勢を崩されながらも、中前へ抜ける同点打。試合を振り出しに戻し、チームは11回にパヘスのサヨナラ打で2連勝を収めた。

試合前の時点で得点圏では38打数7安打で打率.184、ノーアーチ。ここまで打率.336、7本塁打、OPS.1.017という好成績を残しながらも「大谷はチャンスで打てない」と言われ続けた。昨オフに10年7億ドル(約1071億円)という北米スポーツ史上最高額で契約。どんなに活躍しても、ファンやメディアは厳しい見方をしていた。

そんなファン、そしてメディアの声を一掃する一打。デーブ・ロバーツ監督は試合後、自ら大谷の名前を出し「ショウヘイが10回に重要な安打を打ってくれた」と感謝。続けて「あの感情表現をみんなが見た」と評価した。昨年3月のWBCを彷彿させる塁上での“Come on!”。大谷のリーダーシップの表れでもあった。

WBCで野球日本代表「侍ジャパン」を取材していたMLB公式サイトのマイケル・クレア記者は、同大会で「彼がチームリーダーになれることを私たちに証明した」と話していた。エンゼルス時代とは違い、後払い分も含めればドジャースの最高年俸選手。同記者は「その役割をドジャースでも発揮してくれるはず」と期待していた。

史上最高額の契約は自らの結果だけが良ければ、良いわけではない。それは一番大谷自身がわかっているだろう。ドジャース移籍後に増えた取材対応や今回の感情表現。ベッツ、フリーマンらスター揃いの銀河系軍団の中で、自分が引っ張っていく覚悟がにじみ出ていた。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

2024-05-04T08:21:04Z dg43tfdfdgfd