【大阪杯/追い切り診断】タスティエーラを超える「S」評価 「最大目標に向けて渾身の調整」

■ベラジオオペラ

【中間調整】昨年3月のスプリングSでは、タフな流れの消耗戦となったなか長くいい脚を使って2着に1馬身1/4差と快勝。続く皐月賞では3番人気に支持されるも、ここでは先行2番手という積極策が裏目に出て10着に終わっている。続く日本ダービーはスムーズに力を出し、タスティエーラにタイム差なし4着と健闘。わずかに切れ負けしたのは“距離の壁”もあったか。その後夏負けがあり長期休養。復帰戦のチャレンジCは半年ぶりでどうかと思われたが、古豪ボッケリーニを破って重賞2勝目を挙げた。腰を据えじっくり休ませたのがいい方に出たようだ。その後、今季の最大目標を大阪杯とし、前哨戦の前走・京都記念では2着も、荒れた内側の馬場を通らされた不利を考えれば悪くない滑り出しだったと言えるだろう。

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そこから短期放牧を挟み3月10日の坂路4F55秒7(馬なり)が中間の初時計。以降、坂路とCWを併用し大阪杯に向け順調に乗り込まれている。1週前、上村師が騎乗したCW併せ馬では古馬2勝クラスと熱のこもった追い比べを展開。最後は脚力の違いを見せ、鋭く伸びて2馬身先着のフィニッシュを果たした。

【最終追い切り】レース当週の追い切りは馬場状況を考慮し、水曜から木曜に変更。今回も上村師が騎乗しCWで併せ馬を行った。負荷に関しては1週前追いの時点で十分過ぎるほどに掛かっており、ここでは終い重点でバランスの調整などに注力した内容。早めに相手へ取り付き、併走状態で息を入れさせることを意識させた。ラストはまったくの自然体で、楽にアタマほど抜け出して先着を果たしている。

【見解】前走時も相当の好気配に思えたが、この中間は無理せず時計を詰めており、もう1段階状態を上げてきたか。今回は指揮官・上村師がすべての追い日に跨る渾身の調整ぶり。1週前に強い負荷、最終追いで微調整と調整過程のサジ加減も絶妙だ。厩舎初のビッグタイトル獲りへ、機は熟した。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター

競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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