天皇賞・春は今年好調なキズナ産駒は外せない 好走実績豊富なハーツクライ産駒にも注目

 4月28日(日)、京都競馬場でGⅠ天皇賞・春(芝3200m)が行なわれる。

 今年は、昨年のGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)の勝ち馬ドゥレッツァと、GⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)の勝ち馬で菊花賞でも2着に入ったタスティエーラと、2頭のGⅠ馬が出走。さらに、このレース3年連続2着のディープボンド、2022年の3着馬で直近のGIIIダイヤモンドS(東京・芝3400m)→GII阪神大賞典(阪神・芝3000m)を連勝中のテーオーロイヤルなど、新旧の実力馬の対決に注目が集まる。

 このレースを血統的視点から占っていこう。

 今年はキズナ産駒が好調だ。ジャスティンミラノが無傷の3連勝でGⅠ皐月賞(中山・芝2000m)を制するなど、4月21日時点のJRAサイアーランキングで首位。最高順位は昨年の4位だが、初のリーディングサイアー獲得の可能性も十分ある。

 この天皇賞・春では、前述の3年連続2着のディープボンドがキズナ産駒で、同馬の父であるディープインパクト系の好成績が目立つ。過去5年で、フィエールマン(2019年、2020年)、ワールドプレミア(2021年)、ジャスティンパレス(2023年)と直仔が4勝。2019年には直仔グローリーヴェイズが2着、2021年にも直仔カレンブーケドールが3着に入り、2020年には孫にあたるトーセンホマレボシ産駒のミッキースワローが3着と、過去5年の3着以内計15頭のうち10頭をディープインパクト系が占めている。

 なかでも、今年はやはりキズナ産駒を狙っていきたい。前述のディープボンドも出走予定で有力候補の1頭ではあるが、今回、筆者が狙いたいのはサヴォーナ(牡4歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。

 同馬の母の父スニッツェルは、2016-17年シーズンから2019-20年シーズンまで、4シーズン連続で豪州リーディングサイアーに輝いた名種牡馬。その父の父デインヒルは、ジャスティンミラノの母の父の父にも入っている、キズナと相性がいい血脈だ。

 デインヒルは今年のGⅠでもポイントになっている血で、ジャスティンミラノのほか、高松宮記念(中京・芝1200m)を勝ったマッドクール(父ダークエンジェル、祖母の父デインヒル)、大阪杯(阪神・芝2000m)を制したベラジオオペラ(父ロードカナロア、母の父ハービンジャーの父系祖父がデインヒル)の3頭がその血を持っている。

 サヴォーナは、競走成績を見ても長距離適性を感じさせる。全3勝は福島・芝2000m、阪神・芝2400m、福島・芝2600mで重賞勝ちはないが、GII神戸新聞杯(阪神・芝2400m)2着、菊花賞(京都・芝3000m)5着、GII日経新春杯(京都・芝2400m)2着と、長距離の重賞で好走を繰り返している。前走の阪神大賞典は3番人気で6着と人気を裏切ったが、重に近い稍重馬場がこたえたようだ。馬場が極端に悪くならなければ巻き返しは可能だろう。

 もう1頭はスカーフェイス(牡8歳、栗東・中竹和也厩舎)を推す。父ハーツクライの産駒は天皇賞・春での勝利こそないものの、2014年からウインバリアシオン、フェイムゲーム(2015年)、カレンミロティック(2016年)、シュヴァルグラン(2017年、2018年)と5年連続2着、3着も2015年のカレンミロティック、2016年のシュヴァルグランと2回あり、過去10年で延べ7頭が馬券に絡んでいる。加えて、スカーフェイスの伯父は、2005年に13番人気でこのレースを勝ったスズカマンボという血統だ。

 スカーフェイスの競走成績を見ると長距離の実績に乏しく、全5勝は1600m~2000m。ただ、前走の大阪-ハンブルクC(阪神・芝2600m)では勝ち馬から0秒3差の4着に入っている。本馬のベストレースは、1分44秒8の好タイムで勝利した昨春の大坂城S(阪神・芝1800m)だが、伯父のスズカマンボも天皇賞・春を勝つまでは2000mまでの距離でしか勝利がなかった。

 そもそも2400m以上の出走は、大阪-ハンブルクCと、3歳時に2着に入った生田特別(阪神・芝2400m)など3戦だけ。出走歴が少ないだけで、血統背景からは長距離適性を秘めている可能性は十分だ。

 以上、今年の天皇賞・春はキズナ産駒のサヴォーナ、ハーツクライ産駒のスカーフェイスに期待する。

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