【川又米利の目】「最低限ゴロを打ってほしかった」中日先制の絶好機に空振り三振だった村松の打撃に苦言

【川又米利の目】◇19日 阪神7―0中日(甲子園)

 阪神が2試合連続となる2桁安打で4連勝(1分け挟む)し、開幕から19試合目にして初めて貯金「1」とした。まるで日本一に輝いた昨年を思い出したかのような勝ち方だっただけに、2回の攻防が明暗を分けたとまでは言えない。それでも今季2度目の完封負けを喫した中日にすれば、先取点が欲しい場面でみすみす逃してしまった。

 2回表。細川と宇佐見の連打のあと、カリステがスリーバントを成功させて1死二、三塁となった。本紙評論家の川又米利さん(63)はこのチャンスで空振り三振に倒れた村松の打撃に苦言を呈する。

 「カリステが1球バントを失敗したあと、追い込まれたにもかかわらずバントのサインが出るとは思わなかった。リスクの高いスリーバントを成功させたのだから、次の打者が何とか得点につなげないといけない。村松はカウント1ボール2ストライクと簡単に追い込まれ、2球ファウルで粘った。最後は内角高めのストレートに空振り三振。二遊間は下がっており、1点覚悟の守備隊形。二遊間に転がせば1点入る場面で、三振してはいけない。まだ2年目の若手ながらスタメンで出場している以上、最低限ゴロを打ってほしかった。青柳はクイックで投げたり、シンカーを投じて、最後にズバッと打者にとってイヤなインサイドに投げたのだが、村松は頭に入れておかないといけない。かなり差し込まれていたので、頭になかったのだろう」

 その裏に同じように阪神が大山と佐藤輝の連打でチャンスをつくると、ノイジーが四球を選んで満塁。1死後に木浪がライトへ先制適時打、青柳が右犠飛で2点を先取した。3回は森下が4号ソロ、5回は大山が中堅バックスクリーンへ、ついに今季1号ソロ。猛虎がようやく目覚めたかのような勝利だった。

 「他球団にすれば、調子が上がってきたらイヤな阪神のクリーンアップ。大山は打率1割台とは思えない物の見事な本塁打だった。福谷の高め150キロストレートを完璧な打ち方で、これぞ4番の打球だった。しかも3安打で左翼、中堅、右翼と全方向へ打ち分けた。阪神打線を乗せてしまったような試合。20日の中日先発・大野が勢いを止めないと、ジワジワと浮上してきた阪神がさらに波に乗りそうだ」と川又さんは話した。

2024-04-19T13:38:07Z dg43tfdfdgfd