球界ここだけの話 巨人・オコエ瑠偉が阿部イズムで進化「野球観変わった」

〝阿部イズム〟がポテンシャルを引き出す。巨人・オコエ瑠偉外野手(26)が細かいプレーで評価を上げている。

「やっぱオコエの走塁だよね。素晴らしい走塁でメークチャンスしてくれたあれが大きかった」

チームが7試合ぶりに勝利(2―0)した4月23日の中日戦(ひたちなか)後、阿部監督は自ら名前を出してたたえた。3試合連続で2番でスタメン出場したオコエは一回に左前へ打球を放つと、天然芝で打球の勢いが弱まるのを見越して迷わず二塁を陥れた。続く坂本の先制打で生還。阿部監督が就任以降、「あ、無理かなと思ったときは〝いけ(走れ)〟と。失敗を恐れないでほしい」と容認してきた攻撃的な走塁を体現。決勝のホームを踏んだ。

指揮官の戦い方に順応しようと必死だ。レギュラーシーズン開幕を前に2軍落ち。その際に阿部監督から走者を進めるための右方向への進塁打を宿題として与えられた。

開幕1軍から漏れたオコエは「阿部監督はしっかりと課題をハッキリ言ってくださるので、すごくやりやすい。2軍でも目的を持ってできた。右方向でも打球が強すぎてランナーが進めないこともある。〝右打ち〟も1個レベルアップできた」と腐らず課題と向き合った。4月3日に1軍昇格後は、きっちりと進塁打を遂行し、代打で犠打を決めるなど『自己犠牲ができる選手を使う』の方針を掲げる指揮官の期待に応えている。

打率・308(39打数12安打)と好調の打撃にも阿部監督の言葉がある。「ヒットはヒットだから」。昨年かけられた一言は「あれで野球観が変わった」と、形にこだわりすぎていた自分に最も必要な視点だった。「くしゃくしゃでも何でもいい」―。捉えた打球でなくとも、Hランプが灯れば自分の気持ちを乗せるよう心掛けている。

楽天時代から持ち味だった守備範囲の広い外野守備も、ロースコアで守り勝つ新生ジャイアンツにマッチ。身体能力に頼っていた大味なプレーから卒業し、存在感は日ごとに大きくなっている。オコエこそ、阿部野球の申し子となるかもしれない。(谷川直之)

2024-04-24T03:09:36Z dg43tfdfdgfd