球界ここだけの話 巨人・秋広優人の現在地「何でだろう」と試行錯誤する日々 「ここを乗り越えないといけない」

シーズンも開幕して間もない4月の上旬。川崎市のジャイアンツ球場でさまざまなアプローチで黙々とバットを振り込む一人の男の姿があった。プロ4年目を迎えた巨人・秋広優人内野手(21)。恵まれた体格と豪快な打撃力を買われ、将来を期待される左の大砲は、己と向き合いもがいている。

「『何でだろうというか、何かおかしいなと。(打撃フォームとかも)コーチにも相談して、いろんなことを試しながら、毎日毎日やっていますね」

4年目の今季は、オープン戦で打率・125と低迷し、開幕2軍スタート。2軍でもここまで打率・211と物足りない数字となっている。昨季は、121試合に出場し、打率・273、10本塁打を記録。一躍ブレークを果たしたが、今季は打撃面で〝壁〟にぶち当たっている。ポテンシャルの高さから、さらなる飛躍を期待されて始まった今シーズンだった。

思い返せば、2月の宮崎春季キャンプ。かつて背番号55を背負ったレジェンドの松井秀喜氏(49)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=にマンツーマン指導を受けた。阿部監督、二岡ヘッドコーチの3人に囲まれながらの熱血指導こそが、期待をかけられている何よりの証明だろう。

松井氏からは打撃フォームのトップの位置についてなど、他より大きな体を操る上で1軍でさらに成績を残すための打撃の助言をもらった。現在はその〝引き出し〟から知識を引っ張りだし、さまざまな方法で打撃のベストを追い求め、バットを振り込む日々を過ごしている。

「毎年、毎年、結果を出すことがいかに難しいかが身に染みて実感できている。ここを乗り越えないといけない」と秋広。殻を破った先にかつての松井氏のように、とてつもない数字をたたき出す姿があるのかもしれない。そんな期待をしてしまう身長200センチの大砲が、再び1軍の舞台に戻ってくることをファンは待ち望んでいる。(樋口航)

2024-04-26T03:02:29Z dg43tfdfdgfd