球界ここだけの話 巨人・萩尾匡也がパワースポットで〝左投げ〟に込めた思い 年男がチームを引っ張る

今年1月のある日、年男は宮崎県日南市の海沿いにある崖の上から、一面に広がる日向灘を見渡していた。2月からの春季キャンプを前に地元、熊本で自主トレに励んでいた巨人・萩尾匡也外野手(23)は、宮崎県で有数のパワースポットである鵜戸神宮へ足を運んだ。

波の浸食の影響を受けて形成された海食洞や波食棚が多く、国指定の名勝でもある神社。古来より南九州各地から厚い信仰を受けており、修験の場として栄えた歴史を持つ。

2000年12月28日生まれの萩尾にとって、プロ2年目を迎える24年は「年男」であり、同時に本厄と呼ばれる「厄年」。地元大津町から直線距離で約150キロ離れた神社を訪れたのは、厄払いのためだった。断崖に沿って石段を下り、岩窟の中に鎮座する本殿へ。「ザバーン」と岩に波が打ち付ける心地よい音を聞きながら、邪気を振り払うための祈願祈祷を受けた。

鵜戸神宮名物の運玉投げにも挑戦。本殿前広場から、崖の下約12メートル先にある大きさ約8メートルの亀石と呼ばれる岩に向かって粘土を丸くこねて作られた「運玉」を投げる。男性は左手で、女性は右手で願いを込めて腕を振り、亀石の背中に命中すれば叶うとされている。チャンスは5回。1投目は「ちょっと抜けた」と失敗。「こんな感じか、って感覚をつかんだ」と自信を持って2投目。今季のここまでの打撃内容のような勝負強さで、見事命中させた。

「野球でいい結果を出せるように、レギュラーを獲れるようにとお願いしました」。お祓いの際に受け取ったお守りは春季キャンプの際には持参し、現在は寮の自室の一角で大切に保管している。

大卒2年目の今季は、キャンプ前に掲げた「開幕スタメン」こそ逃したものの、開幕2カード目から出場機会を着実に増やした。なかでも1番での先発が多く、切り込み隊長として打線をけん引。4月3日の中日戦(バンテリンドーム)では待望のプロ1号本塁打を放った。

00年生まれは〝ミレニアムベビー〟世代と呼ばれ、チームでは開幕投手を務めた戸郷もその一人。運気を上げた年男が必ずや願いを成就させ、チームを引っ張る存在となる。(原田優介)

2024-04-19T03:12:09Z dg43tfdfdgfd