「肩の強さが持ち味なんだから、刺せよ」連敗の責任を背負っていた西武27歳外野手、「嫌なイメージ」の本塁打より喜んだのは…

お立ち台でガッツポーズする西武・今井(左)と岸(撮影・大泉謙也)

◆西武5―4楽天(19日、ベルーナドーム)

西武の岸潤一郎外野手(27)が2号先制ソロを含む2安打1打点で連敗阻止に貢献した。

2番左翼で先発。初回1死、1ストライクから楽天先発早川の148キロ直球を強振し、左翼スタンドに放り込んだ。「初球内角にカットボールでストライクを取られて、そっちに来るのかなと内寄りを張っていたら、たまたま来た」とうなずいた。

7連敗中6試合でスタメン出場。中でも悔いたのが12日ソフトバンク戦だ。同点に追いつかれた直後の8回2死一、二塁。ソフトバンク中村晃の右前打で二塁走者の川村が本塁に突っ込んだが、右翼を守っていた岸からの送球がわずかにそれてクロスプレーとなり、リプレー検証の結果セーフになって決勝点となった。「あれは刺さなきゃいけなかった。肩の強さが持ち味なんだから、刺せよ、と。自分(のせい)で1敗した」。猛省はしたものの、引きずらない性格も持ち味。この日も1打席目から積極的な打撃を披露し、1週間前の悔しさを晴らした。

先発今井も「僕も勢いに乗れました」と感謝した一発だが、岸は打った直後に「ホームランは僕の中で嫌なイメージ。極力打ちたくない」と危機意識を持ったという。「小学校の時から、打つと『今日打てるわ』と調子に乗って打撃が崩れてしまう。きょうも5打数1安打になっちゃうんじゃないかと思い、謙虚になった」。先頭打者として迎えた3回の第2打席は右方向を意識し、狙い通り右前打。ここから2点を加え、結果的に1点差での勝利に大きな意味を持っただけに「ホームランよりうれしい」とうなずいた。

3枠とも空白で始まった外野のレギュラー争いは、いまだ誰も定着していない。岸に枠を獲得するチャンスが巡っているが「大前提としてレギュラーになりたいけど、試合になればチームが勝たないといけない。全員で力を合わせて勝たないと意味がない」と共闘を心がける。プロ通算16本目の一発は「もう忘れました。謙虚にいきます」。27歳の中堅はチームのために右方向を狙っていく。

(末継智章)

2024-04-19T15:45:09Z dg43tfdfdgfd