資金難のバスケB2青森ワッツ、存続へ オーナー会社決定、来季参戦

 資金難に陥り、チームの存続が危ぶまれていたプロバスケットボールBリーグ2部(B2)の青森ワッツの新たなオーナーが、資産管理会社「メルコグループ」(東京都千代田区)に決まった。来季のリーグ参戦に道筋がついた格好だ。

青森ワッツを運営する青森スポーツクリエイションの次期社長に就任予定の渡辺裕介氏(左から2人目)と現社長の北谷稔行氏(同3人目)らが記者会見し、来季の体制について説明した=2024年4月23日午後6時3分、青森市、野田佑介撮影

 チームの運営会社「青森スポーツクリエイション」(ASC)が23日、発表した。資金繰りの見通しが立ったことを受け、Bリーグは青森ワッツに対し、同日付でリーグ参戦に必要な「B2ライセンス」の交付を決めた。

 ASCをめぐっては2月、同社の筆頭株主だった「ANEW Holdings」(東京都千代田区)の破産手続き開始が決定。ASC自体も約3800万円の債務超過に陥り、今期の運転資金として約5千万円が必要になると明らかにしていた。

 ASCはこの日、青森市内で記者会見を開いて「ANEW Holdings」が保有していたASCの株式を全て取得したと説明。「今後、資金面での心配はなくなる」とした。

 債務超過が解消される見通しとなったため、チームは来季も存続する。運転資金についても寄付やグッズの販売収入、スポンサーからの協賛金などで確保の見通しが立ったとした。

 ASCの新社長は、メルコグループ傘下のパソコン周辺機器メーカー「バッファロー」(名古屋市)販売統括部長の渡辺裕介氏。ASCの株主総会を経て就く。

 渡辺氏は会見で、今季のワッツのホーム最終節を観戦したとして「アリーナを埋め尽くすブースター(ファン)のユニホームを見て、地域に愛されているチームだと実感した」と強調。「燃えさかる青い炎を消してはいけないと感じた。地域に根ざしたワッツをさらに盛り上げていきたい」と語った。

 ASCの北谷稔行社長は「ここまで来られたことは奇跡。多くの方からの支えがなければたどり着けなかった。しっかり恩返ししていきたい」と言葉を詰まらせながら謝意を述べた。北谷氏は今後、ゼネラルマネジャーとしてチーム運営を担う。

 ワッツは今季、東地区4位でレギュラーシーズンを終了。プレーオフ進出を決めており、5月3日から西地区首位の滋賀レイクスと大津市で準々決勝を戦う。来季の試合は今秋から始まる予定。(野田佑介)

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