采配的中 根気強い野球しているソフトバンク 大きかった中村晃の出しどころ

7回2死二塁、右前適時打を放った代打中村晃(左)をベンチ前で迎える小久保監督(撮影・星野楽)

◆ソフトバンク2×―1西武(27日、ペイペイドーム)

今のソフトバンクの強さを見せた勝利だった。同点打の中村晃、サヨナラ打の川瀬はともにスタメンではない。その中で中村晃の代打での出しどころ、山川を下げた後に代走だった川瀬にチャンスで打順が回ってきたこと、久しぶりの出場となった周東がサヨナラのきっかけをつくったことと的中した采配が多かった。そして投手陣は勝ちパターンの藤井が残っていた。選手層の厚さを見せた形だ。守備でも延長10回1死一塁で金子侑の右中間の当たりを好捕した柳田は見事だった。しんどい試合だったが、こういう試合をとるのは本当に大事。僅差の試合を制するチームが〝生き残って〟いく。

何より西武が今井を立てた試合に勝つことができたのは、ソフトバンクにとっては大きいし、西武にとっては痛い。今回の今井は緩急をうまく使った。ソフトバンクは12日の前回対戦でも7回で10三振を奪われて無得点に抑えられた。はっきり言って昨年までとは別の投手。安定感は西武投手陣でも一番だ。それでも2回続けてやられるわけにはいかない。そんな相手を7回で降板させたという点で、中村晃の同点打は非常に大きい。

あの場面で中村晃は初球の低めの変化球を空振りした。今井が三振をとってきた球。振ってくれればバッテリーにとってはありがたい。ここで中村晃は低めには手を出さないように2球見送り、球が浮いたところを捉えた。よく我慢したの一言だ。

今のソフトバンクは根気強い野球をできている。一人一人が野球を考え、準備をして、集中している。ただ、また来週も対戦がありそうな今井への対策は必要だ。低めの変化球をどう見極めるか、どうやって球数を投げさせるか、考えていってほしい。(西日本スポーツ評論家)

2024-04-27T10:55:30Z dg43tfdfdgfd