DeNAのD1位・度会隆輝、球団ルーキー初快挙満塁弾 「男たるもの泣いてはいけない」1番→8番…意地の猛打賞

DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=が26日、巨人4回戦(横浜)の八回に勝利を決定づける右越え3号満塁本塁打を放った。新人の満塁弾は球団史上初。開幕から1番打者として打線に名を連ねてきたが、この日は「8番・右翼」で先発出場し、3安打の固め打ちで浮上のきっかけをつかんだ。チームは7-2で快勝し、4位に浮上した。

泣きたい夜もある。お立ち台で喝采を浴びた度会は、目ににじむ涙をぐっとこらえた。

「耐えたっすね。いろんな感情がこみあげてきた。男たるもの泣いてはいけない」

試合前時点で打率・202と落ち込み、22戦目で初めて1番から8番に打順を移した。それでも持ち前の積極性を失わず、冷静に球を見極めた。二回に戸郷から15打席ぶりの安打となる左前打を放ち、五回には初球を捉えて右前へ運んだ。

勝負を決めたのは1点を追う八回だった。3-2と逆転してなお2死満塁で打席に立ち、ENEOSの先輩にあたる左腕の高梨と対戦。フルカウントからの6球目だった。外寄りのスライダーを引っ張り、総立ちのファンが待つ右翼席へたたき込んだ。

オープン戦で首位打者に輝き、開幕から2試合連続本塁打と華々しいデビューを飾った。相手の攻めは日に日に厳しくなり、1番として出塁を意識するあまり空回りした。24日の試合後に三浦監督に呼ばれ「いいスタートを切ったからこそマークされるのは当然。誰もが通る道。(相手を)研究して上をいけばいい」と諭された。

期待度の高いルーキーゆえ、ネット上には批判的な声もあった。正念場を乗り越えようと、この日は早出練習で約1時間バットを振り込んだ。指揮官は「スタメンを外す選択肢もあった」と明かしたが、自らの力で殻を破らせようと先発起用。期待に応える活躍ぶりに「打つべきボールを打っていた。持っているのかな」と目を細めた。

度会は試合後のベンチでノートにペンを走らせ、打席の振り返りや反省を書き留めた。この日から始めた取り組みだった。「今日は自分らしさを出せた。死に物狂いで頑張るしかない」。その瞳には、戦う者の光が宿っていた。(鈴木智紘)

■データBOX

❶DeNA・度会が満塁本塁打を放った。新人の満塁弾は2023年8月9日の広島戦(神宮)でヤクルト・北村恵吾が放って以来61人目、62本目。DeNA(前身を含む)では初めて。

❷新人の巨人戦での満塁本塁打は、1973年9月15日(後楽園)のヤクルト・小田義人以来、51年ぶり。

2024-04-26T20:05:45Z dg43tfdfdgfd