新庄、城島は活躍も岩村はパワーが戻らず...DENA復帰の筒香は果たしてどうなる?日本人強打者の「NPB復帰1年目」<SLUGGER>

筒香嘉智がDeNAへの復帰を決意した。メジャーでは通算182試合で打率.197、18本塁打に終わった大砲は、5年ぶりの日本球界で再び活躍できるのか。ここで、メジャーリーグから復帰した過去の主な日本人打者の「NPB復帰1年目」を振り返ってみよう。

※打撃成績は上から「渡米前のNPB最終年」「MLB最終年」「NPB復帰年」

■新庄剛志

00年(阪神):打率.278│28本塁打│OPS.812

03年(メッツ):打率.193│1本塁打│OPS.483

04年(日本ハム):打率.298│24本塁打│OPS.835

メジャー挑戦直後は最大の魅力であるセンター守備だけでなく、バットでも持ち前の意外性を度々発揮していたが、3年目の03年は打率1割台の不振でマイナー降格も味わった。ところが日本へ帰国後は、日本ハムで広い札幌ドームを本拠地にしながら24本塁打。しかも、3割近い打率を残すなど、渡米前にはなかった確実性も身につき、攻撃的な1、2番打者として打線の得点力向上に貢献した。持ち前のエンターテイナーぶりで球界再編騒動に揺れたパ・リーグを救った貢献も見落とせない。

■井口資仁

04年(ダイエー):打率.333│24本塁打│OPS.943

08年(パドレス/フィリーズ):打率.231│2本塁打│OPS.598

09年(ロッテ):打率.281│19本塁打│OPS.866

ダイエー時代は確実性とパワーを兼ね備えた強打者だったが、渡米1年目はホワイトソックスで2番を任され、つなぎの打撃にスタイルチェンジ。“スモールボール”の象徴的存在として、88年ぶりのワールドチャンピオンに大きく貢献した。1年目は15本塁打、2年目は18本とそれなりにパワーも発揮したが、3年目以降は成績が急降下。34歳で帰国してロッテに入団すると、全盛期ほどのパワーは戻らなかったが、それでも勝負強さと磨きがかかった選球眼を発揮して4番を任されるなど存在感を発揮した。■城島健司

05年(ソフトバンク):打率.309│24本塁打│OPS.938

09年(マリナーズ):打率.247│9本塁打│OPS.702

10年(阪神):打率.303│28本塁打│OPS.859

渡米直前の05年は故障もあり出場116試合にとどまったが、3年連続での打率3割&リーグ5位のOPS.938と、リーグ屈指の強打者として打棒を振るった。ところがメジャーではNPB時代ほどのパワーは発揮できず、出番がめっきり減った3、4年目は1ケタ本塁打と停滞。日本復帰1年目は阪神で28本を放り込んでNPB屈指の攻撃型捕手としての意地を見せたが、それは同時にメジャーの壁の高さをファンに実感させるものでもあった。

■松井稼頭央

03年(西武):打率.305│33本塁打│OPS.914

10年(アストロズ):打率.141│0本塁打│OPS.352

11年(楽天):打率.260│9本塁打│OPS.675

日本球界を代表する5ツール・プレーヤーとして、早くからアメリカ球界の注目を集めていたが、メジャー移籍後は遊撃守備で大苦戦。日本時代と比べて長打数も激減したが、二塁に移って俊足巧打のリードオフとしてワールドシリーズの舞台にも立った。7年間のメジャー生活を経て、35歳で日本に復帰した11年はリーグ最多の34二塁打を記録。以降も、経験豊富なベテランとして楽天を支えた。

■岩村明憲

06年(ヤクルト):打率.311│32本塁打│OPS.933

10年(パイレーツ/アスレティックス):打率.173│2本塁打│OPS.535

11年(楽天):打率.183│0本塁打│OPS.475

メジャー挑戦前は3年連続で打率3割&30本塁打をクリアしていた強打者は、07年のレイズへ移籍後はリードオフとしてボールをじっくり見極め、逆方向へライナーを打つ打撃を心掛けた。08年には球団史上初のリーグ優勝に大きく経験したが、翌09年の左膝前十字靱帯断裂を境に暗転。NPBに戻って入団した11年の楽天では、松井と打線のカンフル剤として期待されながら極度の打撃不振を引きずり、日本復帰後4年間で本塁打5本のみと、かつての強打者ぶりは見る影もなかった。

文●藤原彬

著者プロフィール

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

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