阪神が嵐の逆転7連勝 雨中で執念の猛攻に岡田彰布監督「変な試合やなあ。ほんまにもう…」

(セ・リーグ、DeNA3-5阪神、5回戦、2勝2敗1分、24日、横浜)降り続いた雨は横殴りに変わった。涙雨になりそうな展開だったが、最後まで諦めない岡田虎が九回に反撃の嵐を起こした。虎党も、阪神ベンチも破顔一笑の7連勝。誰もが必死の形相で食らいついてつかんだ白星に、岡田監督は笑みを浮かべた。

「変な試合やなあ。ほんまにもう…。最後まで何が起きるか分からんような展開やからな」

試合開始前から降り続き、1―0の五回終了後に雨脚が強くなって36分間の中断となった。再開後は流れが変わり、七回には失策も絡んで逆転された。だが、2点を追う九回にさらなるドラマを一丸で演じた。

先頭の代打糸原の左前打から3連打で塁を埋め、森下の押し出し死球で1点差に。なお無死満塁で大山が5番手・徳山の高め直球を捉え、低いライナーで中前に運ぶ同点タイムリー。続くノイジーの押し出し四球で勝ち越すと、木浪の駄目押しタイムリーも飛び出して一挙4得点で試合をひっくり返した。

4打数無安打で迎えた第5打席で意地をみせた大山は「勝って良かったです。それが一番です」とほっと息を吐いた。五回1死満塁で一邪飛に倒れていた主砲は「その前に何回もチャンスがあってそこをつぶしてしまった。頑張って投げてくれていた(伊藤)将司に申し訳ない。反省するべき点の方が多い」と表情を引き締めたが、岡田監督は「意地でも一本出る方がええやん。でえへんのもおるんやから」と振り返った。

打線は八回まで1得点止まりで、六回まで無安打無得点と力投していた先発の伊藤将を援護できなかった。今季は10試合連続2得点以下という期間もあり、大山ら主軸は本調子とはいえない。それでも、目の前がかすむほどの荒天でも集中力を途切れさすことなく、粘り強く戦った姿勢に指揮官はチームとしての手応えを得た。

「先頭が塁に出るって言うても、簡単に筋書き通りにはなかなかいけへんもんやからな。ああいうふうに後ろにつないでつないでできるんやから、そら大したもんやと思うよ」

価値ある逆転勝利を収め、14日の中日戦(バンテリンドーム)から2分けを挟んで今季初の7連勝。〝横綱相撲〟ばかりではなかったが、今季最多の貯金4として首位を堅守した。

岡田監督は連勝について「そんなのは眼中になかったよ、はっきり言うて」と結んだ。

目の前の一戦に全力を尽くせば、おのずと結果はついてくる。嵐のような一戦をものにし、さらに勢いに乗っていける。26日からヤクルトを迎える甲子園3連戦でも、セ・リーグ連覇を狙う王者は一つずつ勝利を積み重ねていく。(新里公章)

■データBOX

◉…阪神は14日の中日戦(バンテリンドーム)から2分けを挟んで7連勝。今季初で、昨年9月1日のヤクルト戦(神宮)―14日の巨人戦(甲子園)で11連勝して以来

◉…大山は満塁のシチュエーションで今季5打席目での初安打。2023年は打率・417(12打数5安打)、12打点、22年は同・538(13打数7安打)、17打点をマークした勝負強さを発揮した

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